パン作りの発酵から焼成までオーブンレンジ1台で行う場合の注意点とコツ

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こんにちは!製パン科学研究家の"BAKE FIRST"です(・ω・)ノシ

最近の家庭用オーブンレンジは多機能のものが多く、それ一台あれば発酵から焼成までまかなうことができます。

ですがその場合、レシピ通りにやってはいけない注意点がいくつかあります。

より完成度の高いパンを安定して作れるようになるために考慮すべきポイントを3項目に分けて紹介します!

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オーブン予熱時間を見計って二次発酵は早めに出すこと

オーブン 発酵機能一台のオーブンレンジを使って発酵から焼成までまかなう場合に必要となる考え方です。

まず、パン生地は発酵室(発酵機能のレンジ内も含む)に入れた瞬間から発酵が始まるわけでもなく、加えて発酵室から出した瞬間に発酵が止まるわけではありません

イーストが水やその他材料と混ぜ合わさり、その生地が発酵に必要な温度(4℃以上55℃未満)であればその瞬間から発酵は始まります。

パン生地の発酵はイースト(酵母菌)の生命活動によるものだからです。

人間や動物が冷凍倉庫に入ってもすぐに凍死しないのと同じです。凍死してしまう体温まで下がってようやく凍死しますよね。

なので、基本的にパン生地の発酵は"焼成で酵母が死滅するまで"ノンストップと考えておきましょう。

このようなことから、二次発酵(最終発酵)の指定が38℃50分と書いてあるからと言って、レンジの発酵機能で50分ピッタリ発酵させた後、そこからオーブンを予熱し始めるのでは、予熱完了まで10分かかった場合にその10分が命取りになる場合もあります

特にフタをして焼く食パンの場合は、焼き始めるタイミング次第では型の中でパンパンに詰まりすぎて角がカクカクのカッコ悪いパンになってしまう恐れがありますね。

なので、その分発酵は早めに切り上げて予熱を開始しましょう。その間の生地表面の乾燥が心配であれば、適宜霧吹きで湿らしたり室内でお湯を沸かすなどして湿度を上げて対処するといいでしょう。

逆に焼成前加工で塗り卵をする場合は、表面を乾かしてから塗った方がキレイになるのであえて気にする必要もないでしょう。お店によっては扇風機で乾かすほどです。

 

季節(室温)に応じて事前に発酵を切り上げるタイミングを微調整する

加湿のための湯沸かしイメージ
オーブン予熱完了のブザーが鳴っても、実際には庫内温度は設定温度まで上がり切っていない場合も多いです。さらにもう10分予熱に時間を費やそうとすれば20分オーバーします。

夏場は部屋の中もそれなりに温度が高いので、予熱待ちの発酵進み具合も早いです。なので予熱に20分かけたいのであれば、15分ほど早めに発酵モードを切り上げて室温で待機させる、といった工夫がベストでしょう。

逆に、冬場は暖房を使っていても部屋の温度はそこまで高くなりませんし、乾燥もしていることでしょう。

できればお湯を沸かすなどして加湿をしっかりやって、室温もそれなりに高くしておきたいところですが、なかなかお部屋が暖かくならないお家もあるでしょう。

そんな時はあえて発酵機能での発酵を指定時間ギリギリに近いところまで消化するのも手です。予熱に20分かかるからと言って20分前に発酵室から出してしまうと、今度は冷たい室温にさらされて生地の温度が下がりすぎてしまい、発酵適正タイミングまで余計な時間がかかってしまいます。

※本当は焼成前に生地表面を冷やしてしまうのは、ボリューム低下や焼き上がり表面の見た目劣化に繋がる恐れがあるため良くないです。やはり、できればそうならない工夫をしたいところです。


必ずしも設定した温度通りになるわけではないこと温度のイメージ

オーブンレンジに搭載されている発酵機能は5℃刻みで30℃・35℃・40℃という具合に設定できる機種が多いですね。

ですが30℃で設定したら必ず庫内がその通りになるわけではありません

お使いの機種や個体差で変わるところではありますが、おそらく2~3度の前後は見ておいた方がいいでしょう。

特に、設定より高い温度になってしまう場合は、ちょっと発酵が進みすぎてしまう恐れもあるため、途中でオフにしてバランスを取ってみたり、時間を縮めてみたりと何かしらの工夫をする方が望ましいでしょう。

また、お部屋が寒い場合は扉の開け閉めで庫内温度はすぐに下がります。

「30℃で60分って書いてあるからその通りにやったのに、なんか膨らみ悪い…」

なんて状況に陥る場合もあります。

温度計を毎回庫内に仕込んでおくのも一つの手段ですが、結局は生地の発酵具合の見極めで判断することになりますから、あまりそこまで細かく管理せず

「寒いし開け閉め多かったから、今ちょっと温度下がったかなぁ」

ぐらいのなんとな~く意識して作るだけでも十分です。


湿度が高くなりすぎる場合があること

湿度が高くて濡れた表面イメージ

特に二次発酵(最終発酵)で気になってくるポイントです。

まれに発酵モードで庫内湿度が高くなりすぎてしまうことがあります。これは機種によってもかなり違ってきます。

湿度の高すぎは、生地表面を湿らせすぎて

  • クラスト(表皮)が硬くなる
  • 表面に斑点やシワが出来やすくなる
  • 火ぶくれしやすくなる
  • 焼き色が濃くなりやすくなる

このような懸念があります。特にブリオッシュなどリッチな配合の生地では焼き上がりのクラストの硬化が顕著にでる傾向があります

もし、発酵機能で生地の表面が濡れすぎてしまうことがあれば、庫内の温度が上がったら一度オフにしてみたり、10分おきに発酵モードを使ったりなど、何かしら工夫することをおすすめします。

 

まとめ

発酵機を別で買うとなると、結構な出費になってしまいます。

オーブンレンジ搭載の発酵機能を上手く利用すれば、今ある一台だけでもうまくパン作りができますので、今回紹介した方法を頭の片隅にいれておくといいでしょう。

以上、家庭用オーブンレンジ1台で発酵も焼成も行う場合の注意点でした!

 

2023/05/06

by BAKE FIRST(製パン科学研究家)