BAKE FIRST

パン作りに関する疑問やレシピ、お役立ち情報を掲載していきます。初心者も、ステップアップしたい方も必見!

パン作りにおける塩の働きと、ミネラル入りの塩は効果があるのか?について

イタリアの塩無しパン「パーネ・トスカーノ」をのぞいて、パンに欠かせない主材料の一つである塩。

今回は、塩の働きについての基本を解説しつつ、各種ミネラル入りの塩はパン作りで効果があるのか?といったことについてまとめます。

 

 

パン作りにおける塩の働き

味付けf:id:second_burnout:20210421195458j:plain

当たり前のようですが、パンにおいては塩があるかないかでかなり味が変わってしまいます。

過去に一度だけ、ハード系のパンを試作している最中に、塩を入れ忘れてしまったことがあるのですが、笑っちゃうほど間の抜けたスッカスカな味になり、とにかく単純に美味しくないのです。

配合中の1〜2%程度しか占めていない塩ですが、その効果は絶大です。

生地の骨格強化

塩にはパン生地の骨格であるタンパク質「グルテン」を強化する作用があります。

paopao-bakefirst.hateblo.jp

こちらの記事でも、硬水に含まれるミネラルにはグルテン結合をより強くすると解説していますが、同じことが塩にも言えます。

塩=塩化ナトリウムで、ナトリウムはミネラルですから、同じ作用があるのもうなずけますね。

骨格を強化することで、より多くのガスを保持する生地が出来上がり、ふんわりとボリュームのあるパンが焼き上がります。

 

塩を入れ忘れると、普段より生地のべたつきが強く、弾力もなく脆い生地になります。そのためガスを保持できず、ボリュームのないパンになります。傷がついた風船のようにガスが漏れてしまう状態です。

発酵のコントロール

f:id:second_burnout:20210402103551j:plain
塩には殺菌・防腐効果があります。

その効果の理由としては、塩は周りの水分を吸着する性質があるからです。

この効果を応用したものとして野菜や魚を脱水することに用いられますが、これは様々な菌に対しても同様の作用を発揮します。

水分を奪われた菌は活動が抑制されます。酵母菌による発酵活動が鈍くなるだけでなく、その他雑菌の活動も抑制します。

また、同じ理由で酵素の働きも抑制されます。酵素は水分がある環境でしか働けないため、塩に水分が奪われることで働きが鈍くなってしまいます

菌による汚染も腐敗も、すべては酵素の働きがあってこそなので、酵素作用が抑制されることも殺菌・防腐に一躍買っているのです。

酵素の働きが抑制されるということは、生地の熟成も進まなくなるんじゃないの?だったら塩を入れない方が味の濃いものができるんじゃないの?

って思われた方もいるかと思いますが、むしろパン生地においては酵母菌の発酵活動をある程度抑制しておかないと、熟成で得られる糖分などをどんどん食い尽くされてしまいます

塩を入れないと甘みも減って、塩味による他の味の強調もできなくなる。結局ダブルパンチで味が悪くなるんですね。

paopao-bakefirst.hateblo.jp

熟成についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

焼き色の改善

f:id:second_burnout:20210329134620j:plain

先ほどちらっと、

「パン生地においては酵母菌の発酵活動をある程度抑制しておかないと、熟成で得られる糖分などをどんどん食い尽くされてしまいます」

と出てきましたが、塩を適切量入れることで発酵が抑制され、その結果として生地中に糖分が程よく残るようになります。

残った糖分はパンの甘みとなるだけでなく、きれいな焼き色の元となります。

パン生地を加熱すると「メイラード反応」と「カラメル化反応」という二つの化学反応がおこります。

ここでは詳しく解説しませんが、そのどちらの反応も糖分を必要とし、パン特有の香ばしさと食欲をそそる焼き色を生み出します。 

その糖分が不足することで、両方の反応が少なくなり、焼き色不足となります。

 

ミネラル豊富な塩はパンに違いを生み出すのか?

f:id:second_burnout:20210421195248j:plain

正直なところ、ミネラル豊富で高級な美味しい塩をパン作りに使っても、パンの味が劇的に変わるということはありません。

それこそ、乳製品や卵が入ってくるようなものではどんなに味覚の鋭い人でもわからないのではないでしょうか?

副材料の入らない、フランスパンのようなシンプルなパンであれば、よほどミネラル分の多い塩であれば味の変化が現れてきますが、逆にニガリなど雑味が気になり決して美味しくなるというわけでもなさそうです。

唯一、違いがはっきりと表れるものがあるとするならば、塩パンでしょう。

とはいっても、ミネラルたっぷりの塩よりも、むしろミネラルの少ない岩塩のほうが塩パンには最適ですが…

 

まとめ

たったの1〜2%しか入れない塩ですが、その働きはパン作りにはとても重要ですね。

フランスパンでは塩をミキシング後半で入れる「後塩法」がよく採用されますが、それにより得られるメリットよりも入れ忘れのリスクの方が気になるという理由であえて採用しないお店もあるくらいです。

塩の働きを十分理解さえすれば、その工程変化による影響を想像できるようになり、柔軟に調整することができるはずです。

塩はパンの要ですから、しっかりと理解しておきましょう♪

以上、パン作りにおける塩の働きのご紹介でした。

 

 

byなおちゃん

 

↓↓↓筆者が愛用する製菓製パンの材料・道具のネットショップです【現場でも使うことがあるほど優れたお店です】↓↓↓

 

プロも愛用!安心安全の材料と豊富な品揃えが自慢の【cotta】  

 

プロも愛用するこだわりの小麦粉100種類以上!パン・お菓子作りの材料専門店【TOMIZ(富澤商店)】