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パン作りに関する疑問やレシピ、お役立ち情報を掲載していきます。初心者も、ステップアップしたい方も必見!

「アルカリイオン水でパンは作れない」はもう古い?!アルカリ水でパンを作るとどうなるか解説!

一昔前、「アルカリイオン水でパンは作れない」ということをよく耳にしました。

しかし、とある高級食パン専門店が台頭したおかげで、今ではアルカリイオン水でパンを作るのは決しておかしなことではなくなりました。

 後発のアルカリイオン水で仕込む専門店も出てきたようですね。

それでも、このようなパンが出始めたのはほんのここ2~3年前の出来事なので、まだまだ情報が知れ渡っていないのも事実。

そこで、アルカリ水でパンを作るとどうなるのか、味は?食感は?健康効果は?などなど詳しく解説していきます!

 

様々な料理でうま味を引き出すアルカリイオン水 

アルカリイオン水は、様々な料理でおいしさを引き出すために有効な手段として認められ、活躍の場が広がっています。

パンの話に移る前にまずは、どんな料理でどんな効果が得られるのかご紹介します!

お米

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お米を炊くときにアルカリイオン水を使うと、お米が本来もっている甘味を存分に引き出すことで、より美味しく炊くことが出来ます。

また、硬くなりがちな古米もアルカリイオン水を使うことで吸水がスムーズに進み、でんぷんの芯まで熱がしっかり通り美味しく炊くことができます

でんぷんは水を吸って加熱されることで糊のような状態になり(α化、糊化という)、α化したでんぷんは口の中で唾液に含まれるアミラーゼという酵素によって麦芽糖に分解されやすくなります。

炭水化物のおいしさは、でんぷんをどれだけα化できるか、またどれだけしっかり噛んで食べるかにかかっていますね。

野菜

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野菜をアルカリイオン水でゆでると、塩を使わなくても色鮮やかな緑色が引き出されます。

また、ホウレンソウを使った実験では、調理後のビタミンCの残量が2倍もあったそうで、栄養を逃さない働きも期待できます。

さらに、野菜がより柔らかく食べやすくなることもわかっています。

これは、野菜をゆでると柔らかくなるのは植物の細胞壁であるペクチンが分解され水溶性の物質に変わるからなんですが、アルカリイオン水でゆでるとペクチンの分解率が普通より高くなるのです。

出汁・あく抜き

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出汁を取る際にアルカリイオン水を使うと、より旨味が強くなることがわかっています。

味覚センサーの機械を使った実験によると、うまみ自体はそこまで大きな差が見られなかったにもかかわらず、コク・素材感・濃厚さに大きな変化が出たそうです。

アルカリイオン水は素材に含まれる成分を抽出する能力が高いからだと思われます。

硬水を使うことも同様の効果が得られるそうですが、硬水のエグみが付与されるため、アルカリイオン水を使う方がよりクリアーなまま味の濃い出汁を取ることができるようです。

 

また、あく抜きにアルカリイオン水を使うと、普通の水より多くアクを抜くことができます。これも、抽出能力の高さ故でしょう。エグミの強いもののあく抜きにはアルカリイオン水を積極的に使うと良さそうです。

 

アルカリイオン水=硬水と勘違いしておられる方がまれにいらっしゃいますが、アルカリと水の硬度は特に関係ありません。実際によく市販されているアルカリ水は軟水です。

 

アルカリイオン水で作ったパンはどんな感じ?

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アルカリイオン水で作ったパンは、お米同様にでんぷんのα化がスムーズに進むことで小麦が本来持つ自然な甘味が十分引き出されます

また、でんぷんのα化が進みやすいためか、しっとり感や柔らかさが際立ちます。

そして何より、きめの細かいかき氷を食べるようなくちどけの良さがあります。これはおそらく、でんぷんのα化に加えてパン生地に含まれるたんぱく質が軟化されることも要因の一つだと考えています。

同じ配合で水だけ水道水とアルカリ水で比較したところ、水道水の方はパンの「引き」の強さが感じられるのに対して、アルカリ水の方は「引き」が和らいでいる印象がありました。

有名なお店「365日」では、アルカリ水ではないですがミキシングを最低限に抑えることでたんぱく質グルテン」の形成を極力避けることで、引きが弱く口どけの良い食べやすいパンを作られているとのことですが、アルカリ水では形成したグルテンを軟化させることが引きの弱さにつながっているのではないでしょうか?

アルカリイオン水で仕込んだパン生地の特徴

アルカリイオン水で作ったパン生地は、しっかりと鍛えた生地であっても、弾力がゆるむのが早いです。

酵母菌は弱酸性の環境が一番よく働くといいますが、中性でもちゃんと働きますし、アルカリ性も強すぎなければ働いてくれます。

生地が緩みやすいということは、風船で例えると柔らかくてすごく膨らませやすいということです。

なので、発酵力だけで言えば弱酸性には負けますが、膨らませやすいがために意外にもちゃんと膨らむのです。

ちなみにパン生地が酸性に傾くと、パン生地の骨格であるたんぱく質グルテン」が柔軟性を失う傾向にあります。

ちなみに昔、余ったパン生地を練習用として使いまわしているうちに、発酵が進みすぎて酸味臭がしてきて生地も粗くちぎれやすくなった経験があります。

ほどよい弱酸性であれば、生地がプリっと引き締まるため良い方向に働きますが、行き過ぎると生地が伸びなくなってしまうんですね。

 

アルカリイオン水の健康効果

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アルカリイオン水には様々な健康効果が期待できます。

  • 胃酸過多の中和による胃もたれ改善
  • 腸内pHの中和による腸内環境改善
  • 腸を適度に刺激することで便秘改善
  • うがいで口内環境pHを中和による口臭・虫歯予防
  • 生活習慣病予防
  • 活性酸素減少による美容効果

また、私が以前勤めていた店舗のスタッフでも、アルカリ水のパンを食べる様になってから便秘が改善したという人もいました。これに関してはアルカリイオン水との関連性はわかりませんが、高級食パンは焼減率(焼成による水分蒸発率)が通常よりかなり少ないので、アルカリイオン水の性質を受け継いでいることも十分考えられると思います。

アルカリイオン水の注意点

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しかし、アルカリイオン水にはデメリットもあります。

  • 胃酸が薄まり消化不良に
  • 胃酸の殺菌作用が弱まり食中毒に(特に生モノと一緒に摂取すると)
  • 強い濃度だと腸への刺激で下痢になる

特に多く聞かれるのが、下痢になったという話です。

私の実体験をもとにお話しすると、研修初日にオーブン作業を学ぶことになり、かなりの汗をかいていました。

水分補給にアルカリイオン水をガブガブ飲んでしまい、お腹を下してしまいました。

考えられる要因としては、

  • そもそも水の飲み過ぎだった
  • アルカリイオン水の飲み過ぎで胃酸が薄まり殺菌力・消化力が低下しすぎた
  • アルカリの度合いが自分には強すぎたため、腸内の刺激過多となった

これらに加えて、元々お腹を下しやすい体質であること、重労働による体力消耗が合わさり、体への負担となっていたんだと思います。普通に2Lくらい飲んでたと思いますが、飲み過ぎも逆効果だということがわかりました。

ただし、アルカリイオン水を飲んだら必ずお腹を壊していたわけではなく、こういった様々な条件が合わさった結果だと思うので、よっぽど変な飲み方さえしなければ体にメリットばかりです

 

ちなみに、アルカリイオン水で作った高級食パンを食べまくったらおなかを壊すというのも経験したのですが、これに関してはアルカリが原因というよりは、

  • もともとお腹にガスがたまりやすい体質なのに発酵しやすいパンを大量に食べたこと
  • 乳糖不耐性であるのに乳製品豊富なパンを大量に食べたこと

など色々と考えられる要因は多かったので、やはりこれもアルカリイオン水だからというよりは、単純にどんなものでも食べ過ぎ・偏食は良くないってことだと思います。

後日公開の、アルカリイオン水で作った「水にこだわる高級シルクロールパン」を作った後に結構食べてますが、なんてことありませんでした。

やっぱり、日頃のバランスの良い食事や生活習慣、ストレスをためない工夫が何より大事だということですね。

まとめ

まだまだアルカリイオン水で作るパンの分野は、歴史が浅いだけにレシピも情報も少ないのが現状。

なので私がこのブログで積極的にこれからも取り扱っていこうと思います。

今後も通常のパンのレシピや知識に加えて、アルカリイオン水パンシリーズをちょくちょく公開していきますので楽しみにしていてくださいね♪

以上、アルカリイオン水でパンを作るとどうなるのか、解説でした!

 

 

byなおちゃん

 

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